弘法大師と石芋
むかし、弘法大師が諸国を旅していた時のことである。
大師が海神の道を歩いていると、道ばたの家で老婆が芋を煮ていた。大師は歩き続けて空腹だったので「私にその芋を一つ恵んでくれませんか」と頼んだ。けれども老婆は欲深だったので「これは石みたいに固い芋だから食べられないよ」と嘘を言って、大師に芋をあげなかった。
やがて、大師が去ってしまってから、老婆が芋を食べようとしたところ、本当に石になってしまっていた。老婆はしかたなく、その芋を近くの小川に捨てた。
するとどうしたことか、何日か過ぎて捨てた芋が芽を出したのである。土地の人々は驚いて、この芋を竜神社の池に移して祀った。芋はその後も枯れることなく、つい数十年前までこの池にあったという。
大師が海神の道を歩いていると、道ばたの家で老婆が芋を煮ていた。大師は歩き続けて空腹だったので「私にその芋を一つ恵んでくれませんか」と頼んだ。けれども老婆は欲深だったので「これは石みたいに固い芋だから食べられないよ」と嘘を言って、大師に芋をあげなかった。
やがて、大師が去ってしまってから、老婆が芋を食べようとしたところ、本当に石になってしまっていた。老婆はしかたなく、その芋を近くの小川に捨てた。
するとどうしたことか、何日か過ぎて捨てた芋が芽を出したのである。土地の人々は驚いて、この芋を竜神社の池に移して祀った。芋はその後も枯れることなく、つい数十年前までこの池にあったという。
掲載日 令和3年2月9日