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トップ歴史放談船橋の伝説> 桔梗の前

桔梗の前

平安時代の中頃のことである。都では貴族達が華やかで贅沢な日を送り、地方へ目を向ける者はなかった。その時、関東地方で平将門が乱を起こして、泰平になれた貴族達を不安におとしいれた。将門は一時、常陸の国府を焼き払ったりして、関東の大半を手中に収めて勢力を振った。しかし、間もなく藤原秀郷等の軍に敗れあえない最期をとげた。

将門には桔梗の前という愛妾がいた。桔梗の前は将門滅亡後、各地を逃れ歩き、やがて海神山に庵を作り、将門の霊を供養する日々を送った。しかし、彼女は将門を慕う心が強く、とうとう恨みを抱いたまま船橋浦に身を投げて死んだ。

やがて、桔梗の前の霊は、人食いザメとなって人々を恐れさせた。そして何人もの人がそのサメに食われて命を落としたという

掲載日 令和3年10月1日